初瀬明生と小説とKDPと

Q.KDPとは? A.Kindle(電子書籍ストア)に自己出版できるサービスの事だよ!

丸木戸サキさん、「ねぇ、その出版楽しいの?」のレビュー

今日は丸木戸さんの「ねぇ、その出版楽しいの?」のレビューをします。平日なのでツイートの方式は控えました。

 

 

やけに挑戦的なタイトル。中身は指南本ではなく、エッセイです。ですが、下手な指南本よりよっぽど頼りになる本です。

 
中身はものっそいポジティブな内容。最初の本文の見出しが「出版って、楽しい!」ですからね。体験したものを語るようなエッセイです。
 
読んでて共感できることがすごくある。あとKDPを始めた頃の苦労だとか、初めて感想をもらった時のことを思い出しました。あの時は不安と同時に、楽しみもありましたね。
 
指南本と違うのは、書きたい物を書けと言っていること。考えてみれば、アマチュアに失う物はないわけで、悩んで行き詰まるのはアホらしいのかもしれません。
 
本を読んで他に思ったのが、丸木戸さんのまあ積極的なことよ。アマチュアで取材しちゃいけないなんてなかったんだ。僕には教会に取材に行く勇気はないですね。そういうところも見習いたい。
 
 
 
このエッセイの根幹となる物はとにかく楽しもうよということ。
書くこと、表紙作り、キャンペーン、出版後のあれこれ。その全てを楽しんでいるような想いがこもった、いいエッセイでした。
 
 
後半は体験したことを主に書いています。またここからも面白い。特に作家を名乗るかどうかのところは、ちょっぴり勇気をもらえた気がします。
 
 
 
ここからはちょっと印象に残った物をピックアップ。
 
ライトノベルの作家が「作家」と名刺に書いてあることをさも嘲笑するような記事を見たということが、本文中で言及されています。それは僕も前に見て、ずっと疑問に思っていたことでした。
 
何が悪いのかがさっぱりわからないんですね。ラノベ作家だって書いているのに何がダメなんだと。正直あれはつるし上げられる意味がわからなかった。作家と名乗っても全然構わないはず。ラノベ作家はもちろんのこと、前述したようにアマチュアも(まだ勇気はないけど)。
 
 
あとは方法論はさまざまあるけれど、まだ確立していない方法に縛られたり、また他人に押しつけるべきではないということも書かれてありました。
 
方法なんて状況によって結果が変わるのは当たり前だ。たまたまそれが成功したからと言ってそれを他人に押しつけるのは言語道断であると思います。よもや、別に成果もあげてないような方法を上から言われるのは――。
 
・・・ちょっと私怨が出ちゃいました。自重します。
 
他にも評価の受け取り方とか、最後の方には方法論の押しつけではなく、提案のようなものもある。これは参考になると思います。
 
そうなんだ。この本には押しつけがないというのが一番いいのかもしれない。読みやすく、そして著者の心境、考えなどがわかると結構楽しいものがあります。中編? あたりの長さではあると思いますが、かなりスラスラと読めました。
 
現在進行形で書いている人、これから参入したい方にオススメの本です。
 

 

ねぇ、その出版楽しいの?

ねぇ、その出版楽しいの?