初瀬明生と小説とKDPと

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物語の特殊な情報や設定を上手く伝える方法

寵愛の館のセールは明日の夜までです。そこで宣伝も兼ねて、特殊な設定の情報をいかに読者に受け入れやすくしたらいいのかということをつらつらと書き連ねたいと思います。

 
 
この寵愛の館というのは、ちょっと特殊な館モノ推理小説です。外に一切出たことがない二男一女の兄弟は、湖の孤島の館に住んでいる。そしてそこで殺人事件が起きるという話。
 
 
特殊な情報を説明するにあたっての手法というのは以下の二つほど。
 

 

 
1、語り手、もしくは主人公が行動してから説明する。
 
ここで例を
 
 
・「館から一歩も出ず、ずっとこの場所で暮らしているという説明」→「館を歩き回る」→「人との会話」
 
・「館を歩き回る」→「人との会話」→「館から一歩も出ず、ずっとこの場所で暮らしているという説明」
 
 
簡潔に書きましたが、こういうことです。最初に特殊な状況を説明するよりは、まず行動、あとは周りの状況などをまず説明させてからの方がいいかと思います。その方が後で驚きも追加されますので、こういった手法は好んで使います。レトリックでいう漸層法ですね。
 
 
※漸層法とは。
 
同じ事柄に対して、徐々に表現を強めていく、またはスケールを大きくする手法。
 
例文)
平凡な家庭で暮らす高校生はいつものように眠っていた。そこに人型の怪物が現れ、次々と家族が襲われた。怪物から逃げながら、なんとかそれを撃退する。誰かに助けを求めて外に出ると、町中火の海となり、見渡す限りに怪物がいて人を襲っていた。
 
 
 
 
 
2.行動を交えながら説明する。
 
これはそのままの意味で、実際に動いている様を書いて、どのような状況なのかを説明するということ。淡々と説明するよりは、ある程度は効果的かと思われます。
 
カフェでお茶しながら自分が勤めている会社を説明するよりは、実際に会社で働いている場面で説明した方が読者もすんなりと情報が入っていくのではないでしょうか。
 
 
 
以上の二つは、数多ある手法の中の一部に過ぎないということをご理解いただければ幸いです。
 
調味料みたいなもので、食材によって合う合わないは必ずあります。SFなどで、最初から主人公が宇宙船にいるとかなら、その説明をまず始めにしなければいけませんし。
 
 
ただ、どんな食材にも付けてはいけないものがあります。これを控えることで、より情報が先鋭化されるものがあります。それは。
 
 
 
 
情報の重複はできる限り控えるべし。
 
 
 
 
もうこれは言わずもがな、ですが陥りやすいものです。
 
フェアに行こう行こうとしてくどくなってしまう悪手です。できる限り控えるべきです。もちろんできる限りですので、二回三回と使われても、ちゃんと出所さえ間違わなければ問題はないです。
 
 
 
この悪手を堂々と使ってしまったやつがいる。それは誰か。
 
 

 

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……はい。私です。長編になってしまうとそういう傾向があるみたいです。あくまで範疇で、もうちょっと削れば……という感じです。
 
今回の記事は、自戒のつもりで書きました。これからは精進します。
 
寵愛の館はある程度は削りました。
 
 
そんな寵愛の館のセールは明日までとなっております。この機会にぜひ(マ)

 

寵愛の館

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