初瀬明生の創作部屋~Making Story~

電子書籍ストアに自作の本を出しているセルパブ作家が、その小説に関することや、何気ない日記を載せるブログです

推理小説の推敲方法

推理小説をつくるのは本当に難しい。一歩間違えれば物語が破綻することがあり、警察や探偵が無能に成り下がる。

推理小説が難しいのは、顕著に二つの立場が分かれているからです。主人公と犯人側の立場では全く、取る行動、見る世界が違います。

この二つを上手に融合させて、一つの物語を作るのは至難の業。しかしそれを可能にするのはやはり、最初のプロットなり、後の推敲がしっかりしていないとダメなんだと思います。

今回は僕がやっている推敲の方法をお教えします。参考になれば幸いです。

その方法とは、主人公と犯人側の視点を分け、通して完成した物語を見るというものです。

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図の上のような流れで物語が進んでいくと仮定し、二つの視点も同時に進んでいきます。普通の推理小説は大体、主人公と犯人に分かれていると考えています。

物語を完成させたら、まずは探偵視点で物語を読んでいきます。ここで重要なのは、犯人側の思惑などを一切排除して、純粋に物語の流れを読むことです。そしてそれが終了したら、犯人側の視点で読んでいく。片一方は排除しながら。

推理小説でどうしてもやりがちなのは、物語の流れを意識しすぎてどこかに綻びを出してしまうことです。

なんでその情報をあなたは知ってるの? とか、それよりもっといい方法があったんじゃないの? とか。あとは時間が間違っていたり、犯人が異次元ワープをしていたり、伏線が放置され放しだったり、明らかに物理的、時間的にトリックが成立しなかったり・・・etc.

この推敲方法ならある程度は回避できると思います。割と効果はあると自負しております。

ある推理小説では、

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このようなことも起こります。要するに孤島に客を集めて殺人ゲームが繰り広げられるあのパターンです。

黒幕のところは別のものでもいいです。たとえば作中作などでは、その作品の作者などです。「迷路館の殺人」なら鹿谷門美ですね。

もちろんこれは推理小説以外にもできます。要するに重要な人物の視点だけで物語を読んでいくと、気づかなかった、おかしな部分を見つけることができる可能性が飛躍的に高まるのです。

参考にしていただければ幸いです。そんなの常識だろと思う人もいるとは思いますが、知らない人のために今回の記事を書いた次第です。

以下、新作についての話。

話は変わるのですが、新作も作中作ですので、直前の図のようになっています。

新作のあらすじと試し読みからこちら

大まかに三つの視点があるのです。だけど、もっと細かくすれば、

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このようにもう一つの矢印も加わると思います。

どういうことと思われるかもしれませんが、これはニーアの視点です。あらすじを見た方ならおわかりかと思いますが、今回の物語は少し突飛なのです。

舞台は架空の世界で、そこに住む人間が、とある世界を旅します。その旅の部分が作中の作品にあたります。簡単に言えばTRPGのような形式で進みます。

四つの視点を見直さなければならないのでかなり大変です。しかし、それがこの推敲方法の万能さを物語っているとも過言ではありません。視点が増えても対処はできます。何だったら登場人物全ての視点で見ることもできます。さすがに面倒なので大まかに僕は分割しました。どMな方はやってもいいかもしれません。

以上、新作の紹介兼応用例でした。