初瀬明生と小説とKDPと

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KDP本をレビューしてみた「PS03」

夏居暑さんのPS03のレビューをします。

O(オー)じゃないです0(ゼロ)です。

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とりあえずAmazonの内容紹介を

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~新型ダークヒーロー誕生~

司法試験に8回落ちた余計な知識を武器に

この世の法律では裁けない悪を斬る

①敵にしたくない奴No.1

②悪質極まりない攻撃方法

③人生まるごとペナルティ

~あらすじ~

自称PSP(パーソナルセキュリティプロテクションズ)

阿弥陀町方面DS(ディフェンススクワッド)のPS03と呼ばれる男の活躍を描くダークヒーロー小説。

小学4年生の綾乃は目に余るモンスターペアレントの横暴を何とかしようと、

この街でPS03(ピーエスゼロスリー)と呼ばれる男に退治を依頼する。

PS03は阿弥陀町からモンスターペアレントを追い出す作戦を開始するが・・・。

この世に蔓延る悪とは何か?

悪対悪の戦いが幕を開ける。

*作中より抜粋

「この日本は所詮、民事裁判の国。刑事事件にならなければ何をやってもいいのさ」

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内容紹介文にもある通り、主人公は悪である。平たく言えば、ダークナイトライジングの時のバットマンを想像すればいいと思う。(こちらは実際は正義の味方だけど)

しかし、この主人公はバットマンと比べてはいけない。クズである。まごう事なきクズである。しかも手口が実に幼稚。本当に争いは同じレベルのものでしか起きないを体現したかのような争いが続いていく。

読み終わった感想としては、なんだか道尾秀介の「片目の猿」に似ているかもなと思いました。

オチとかは全然違いますが、どこが似ているのかと言えば話の流れとでも言いましょうか。主人公の立ち位置も若干近いと言えば近いかな? あんまり詳しく言っちゃうとネタバレになるかもしれませんので、とりあえず第一人称というものを上手く使った小説だということは言っておきたい。

具体的にどこがいいのかと言えば、第一人称で進むのことでこの物語ではより引き立てている。舞台の町は現実世界と同じなのに世界観が独特なのは、この主人公の持論や行動などが独特だからです。それに誘導されるように読み進められる。テンポもよく、話はとんとんと進むからページをめくるのが早い。非常に文を書くのが慣れている印象を受けます。

個人の作家の作品としては非常に完成度は高いです。読んだ中でも上位に入ります。

ただ、だからこそ言わせていただきたい。短い!

欲を言わせていただければ、短編を間に挟み、何度か事件があり(具体的には2、3回ぐらい)それから最後に今回のモンペとの格闘へと行って欲しかった。そして最後へと移行すればよりスムーズだったのかなと思いました。

不満ではありません。欲です。個人の意見なので、まあ違うんじゃないの? と思う人はスルーしてください。

しかし短いが故にお手頃な値段となっています。これはぜひ買っていただきたい。