初瀬明生と小説とKDPと

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相棒13最終回「ダークナイト」に言いたいことがある

普段はこんなドラマの感想とかは書きませんが、一言言わせていただきたい。

 

 

今回の相棒の最終回はひどすぎる。

 

 

相棒自体は高校の頃から実に十年くらい見続けている大好きなドラマでした。そして回ごとにつまらない、面白いという感想を持ちますが、それでもシーズンを通して楽しみ、視聴継続は欠かさなかった。

 

だけど今回……今回だけはどうも納得ができない。

  

---------------ここからネタバレあり------------------

 

 

 

 

 

 

視聴前の自分

「甲斐卒業か。おそらく奥さんの介護を優先して辞めるか、もしかしたら奥さんが殺されて心神喪失になる可能性もあるな。それは後味が悪すぎるからやめてくれよ・・・」

 

視聴後の自分

「その結末はない。やめてくれ」

 

 

 

視聴後に残ったのは言い様のない虚無感。そして予想とは全く違う、あさっての方向からの攻撃で受けた傷だけだった。

 

 

まず本編を掻い摘まんで説明すると、ダークナイトという、法の網目をかいくぐり平然と暮らしている悪党に制裁を加える男が出てきます。それは二年前から始まっており、最初は暴力のみではあったが、ついには殺人が起こってしまう。それを解明するために特命は動くのだが、どうも甲斐の様子がおかしい。推理に異様に積極的だし、なんかどこかの葬式に赴いてきな臭い友人と会うし。殺人が起きたときには、これは模倣犯だと積極的に誘導するような言動も見られる。模倣犯が逮捕された後も納得がいかないと調査を進める。

 

 

その模倣犯が逃げたとか、襲われたとか、そんな細かいことはひとまず置いておきます。結末だけを単刀直入に、

 

 

二年前から犯行を重ねていたダークナイトは、甲斐亨だった。

 

 

……えっ?

 

 

あれほど怪しさ満点で、結局犯人だった。なんだこれは! 逆に予想が裏切られたわ! しかも二年前ということは、右京さんと相棒を組んでしばらく経ってからじゃないか!

 

 

はじめの一歩で言っていましたが、来るとわかっているパンチは痛くないけど、予想外のパンチは痛い(原文忘れた)という言葉がありました。

 

この言葉は、推理小説にも当てはまります。気持ちよく予想が裏切られると、逆に爽快な気分を味わう。

 

しかし今回の予想の裏切りは、ただただ鈍痛だけが残り、不快感が助長されるものでした。

 

 

 

とりあえず、なんで僕が今回の事件をここまで扱き下ろしているのかと言うと、理由は二つ。

 

 

 

①脚本が杜撰

 

②同意が全く得られない動機

 

 

 

まず①を説明します。今までずっと右京さんと共に事件解決してきた裏で、甲斐は上述した犯罪を行っていたわけです。ちなみに五件とも甲斐の仕業。そして殺人は模倣犯。しかも甲斐は模倣犯を警察署から逃がして自分の手で病院送りにしました。

 

とりあえず二年の間、ずっとこれをやってきたという事実。これをみなさんどう思いましょうか。即身仏の回での、他人の意が関われば自殺ではないとかいう言葉や、時には犯人に殴りかかほどの熱血ぶりを見せたその他のきれい事も、すべてが台無しになりました。再放送でいくらきれい事を言っても、裏ではあんなことやってんだなって思いながら見ることになるでしょう。

 

三年間積み上げた甲斐の成長の軌跡をすべて台無しにした。そんな脚本だったと僕は思います。

 

しかも明らかに甲斐が怪しい描写をしておいて結局オチがそのままで来ました。推理もへったくれもない。

 

それにこの二年の間、右京さんも奥さんも気づかなかったのかな・・・。

 

 

 

そして②

 

甲斐がなぜこんなことをしたのか。それは友人の目を覚まさせるためというわけのわからないものでした。それを説明するには、まず友人の説明からしなければなりません。

 

その友人の妹が、三年前に通り魔によって無残にも殺されます。しかもその通り魔が脱法ハーブによって心神喪失と判断されて無罪となった。それを復讐しようとする友人を止める。そして復讐がどれほど愚かしいことかをわからせるために、自分がその通り魔を半殺しにしたのです。これが初犯で、二年前のことです。

 

?????

 

これだけでも疑問符が浮かびますが、そこからさらに四件事件を起こしているのはなぜなのでしょう。

 

 

答えはネットに称賛の嵐が書かれており、それによって気持ちよくなったから(簡潔に書きましたがたぶん間違ってない)

 

なんだそりゃ!

 

ここまでひどい動機を見たことがない。正義もくそもなく、ただ名誉欲に負けた哀れな犯罪者と成り果てたのです。

 

 

そして挙げ句の果てには、特命は人材の墓場。甲斐が問題を引き起こしたのは右京さんという優秀な存在があったから。あなたはずいぶんと危険な人物だとか、意味のわからない終わりに無理矢理結びつけやがりました。特命の設定をちょっと曲解して出してもちゃんとした終わりにはならないよ!

 

 

 

余談

 

当然甲斐は傷害罪が適用されるでしょう。詳しいことはわかりませんが、確か刑期は最長十五年ぐらいだったと思います。模範囚で刑期が早く終わってもせいぜい数年がいいところでしょうか。あと十年ぐらい相棒が続けば、甲斐も戻ってくるかもしれませんね。(皮肉)

 

 

 

もっといっぱい言いたいことはあるのですが……もうこのへんにします。とりあえず三年が台無し。そして今回の事件の伏線もない。動機がおかしい。言いたいことはこの三つです。長々と失礼しました。